牧之龍分会 in 唐桑


【毎月必ず行かせて頂こう】

唐桑半島は国定公園に指定される程、風光明媚な自然が美しい所です。しかし地震によって、海岸線では地盤が1m以上も沈下し、加えて大津波の被害で漁業は壊滅的な状態だったと思います。

漁港や隣接する港町では、家屋や関係施設が津波で皆流されて、建物の基礎だけが残っている姿があちこちで見られました。その中で瓦礫の撤去や打ち上げられたゴミの収拾などのひのきしんをさせて頂きましたが、丸一日作業をしても景色がまったく変わらない状況に、自分達の無力さに打ちひしがれたこともありました。

ある日、仮設住宅の一室をお借りして昼食を頂いている時、被災されたご婦人から震災当日の様子を伺い、何枚もの写真を見せて頂きました。これからも毎月必ず行かせて頂こうとの会長様の思いから、その後も月に一度、ひのきしんに通わせて頂いていますが、震災に遭われ、大切なものを沢山失われた被災地の方々が、地元の再建を目指して一生懸命に頑張っている姿に、ひのきしんに行っている私達の方が何度も何度も元気と勇気を頂きました。

今年1月の早朝、唐桑半島に向かう途中、気温はマイナス13℃。東京にはない寒さでした。その日は、津波で埋まってしまった用水路の整備をさせて頂きましたが、作業の途中で突然横なぐりの雪が降って来て、5m先も見えなくなってしまったことがありました。まさに東北の厳しい自然環境と、被災された地元の方々のご苦労を垣間見たような出来事でした。

【唐桑で想うこと】

震災から一年半が過ぎて、建物が新築されたり、漁業が再開されたりと、復興に向けて被災地は少しづつ動いています。関東に暮らす私達の生活環境は、震災前とほとんど変わらないまでになりました。

月に一度ですが、毎月唐桑に行かせて頂いて思うことは、被災地と私達との間にあるギャップなのです。私達は知らずしらずの内に、今の暮らしが当たり前という感覚に埋もれてしまってはいないでしょうか?

被災各地が完全に復興するには、まだまだ長い時間が必要だと感じています。

真柱様は「息の長い支援を」とお示し下さいました。被災地の復興に向けて私達が出来ることは、ほんの僅かなものなのかも知れません。しかし、その一つひとつに無駄はなく、親神様教祖は、私達がたすけ合うその心をお受け取り下さると信じています。

ご縁があって唐桑でひのきしんをさせて頂いておりますが、この先も「感謝、慎み、たすけ合い」の精神を忘れずに、皆様と共に復興支援に関わっていきたいと思っております。

どうぞ皆様のご理解とご協力を宜しくお願い致します。有難うございました。